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京都の女性というだけで、京都案内しなきゃいけないものなの?山村美紗さん [山村美紗と西村京太郎]

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西村京太郎さんが、山村美紗さんに捧げた自伝的小説、「女流作家」を読みました。

私が山村美紗さんへの興味が再燃したのは、先日見たミステリードラマで山村美紗さんのお嬢さんである山村紅葉さんを見たのがきっかけでした。

私は、山村美紗さんと西村京太郎さんのことを語ろうとする者としては異端のもので、実は二人の小説をこれまでに一冊も読んだことがない人間なんです。

と言ったら、呆れる方が多いでしょうかね?


でも、本の虫である私も一応は二人の著書を手にしたことはあるのですよ。

題名は覚えてないのですが、どちらの本も図書館で借りてきまして読もうとはしたのです。

読もうとした理由は実に単純で、両名とも本をたくさん出されえいるので、それだけ世に必要とされている、つまり面白いのだろうな、では読もう!と思ったからです。


が、残念なことに私がお二人のたくさんの本の中から適当に選んだ本が自分の好みには合わずに、正直あまり面白いとは感じられなかったのです。

私の読み方なり、感受性なりに問題があったのかもしれませんし、たくさんある著書の中で比較的合わない本をたまたまチョイスしてしまったのかもしれません。

お二人の小説とは、残念だけど、相性が合わなかったということで、それっきりになっていました。


というわけで、ファンも多くドラマ化もされていて面白いはずの西村作品にも、山村作品にも縁がなく今まで過ごしてきてしまいました。


ところが、山村美紗さんの小説は読めなかったものの、山村美紗さんのエッセイ本の中でとびきり気に入ってずっと読み込んでいた一冊がありまして、

その本とは
美紗の恋愛推理学―友だちより“いい彼”をつかまえる法 (新潮文庫)
という本で、ちょっと本屋のレジに持っていくのが恥ずかしくなるタイトルの本なのですが、どうにかこうにか購入して読みこみましたら、

こちらはとても私の好みに合い、長年持ち続けてるお気に入りとなったのでした。


この本の初版は、昭和60年(古い…)で、大昔未婚の若い娘であった私は

友だちよりいい彼をつかまえたいというところにピピッと来て購入したような気もしますが(昔過ぎて記憶が薄い…)


自分がこの本で気に入ったところは、恋愛についての箇所よりも

「子育て推理学」のすすめという箇所でした。

中学の教師の経験もある山村美紗さんの子育ては実にユニークで型破りで面白くて、当時未婚で子供もいなかったの私なのに、将来の子育てに山村美紗さんの手法を取り入れてみたいとまで思わされたのですよ、このことについてはまたいつかに是非書いてみたいですね。


その他、子供がいじめられている場合の親の対処法のとこに、学校の時にいじめられっ子であった自分の心はしっかりとキャッチされてしまったのですね。

私は昔の金八先生のドラマに出てきたセリフで忘れられないものがあるのですが、それは
「いじめっこにも問題があるが、いじめられてる子にも問題がある」
というもの。一字一句この通りの言葉ではないかもしれませんが、私はこういうニュアンスで受け止めました。

これを聞いた時のショックは忘れられず、長いこと私の心の傷として残ったのです。


一方、山村美紗さんの書かれた内容は、上記のいじめられっ子にも問題がある的な冷淡なセリフとは真逆のもので、私は凄く心を打たれました。このことについても後日詳しく書いてみたいと思っています。

そんな経緯があり、山村美紗さんの小説は一冊も読まず、ドラマも見たことはなくても、

上記のエッセイ本にがっちりハートを掴まれて、私はずっと山村美紗さんに好感をもちつづけてきたというわけです。


ふぅ~っ、ちょっと美紗の恋愛推理学―友だちより“いい彼”をつかまえる法 (新潮文庫)について書き過ぎちゃいました、

今回取り上げたいのはこっちのの方です。

江本夏子という、山村美紗さんの設定をそのまま体現しているヒロインは当然京都の女性なのですが、

この小説の中で
「京都に行くから、京都の案内をお願いしますよ」
と何人もの人から依頼を受け、実際に案内をするという場面が何度も出てくるのですよ。

案内を依頼したのは全員作家で、男で、夏子と親しいというわけでもなく、

会ったのは一度きり、会話も一言か二言で大して話してない程度の関係なのに

「京都の案内をしてください」
と、夏子に依頼をしてくるのです。
kyoto1
そのたびに私は首をひねり、この人達(京都案内を頼む人たち)図々しいな~とつぶやいていました。


夏子に女性として好印象を持つ、だからお近づきにと思い、京都を訪ねるのみならず、ストレートに京都案内を頼むって、かなり厚かましくないですかね?


しかもですよ、皆
「夏子さんは京都の女性だから、着物で来てほしいな」
とまでおねだりをするんですよ、これにも驚きです。

夏子がモテる女性だからということもあるのでしょうけどね。


私は生まれも育ちもずっと東京なのですが、もしも自分が夏子みたいな美人の作家で男性作家に好感を持たれる女性だったとしたらと、かなり無理な設定で考えてみたのですが

「美波さんは東京の女性だから、東京の案内をしてくれませんか」
などと依頼されたら、

はぁ?私がですかという反応しかできないと思います。


私、東京の人間ですけど、東京タワーすら一度も上ったことないですよ、どこ案内すればいいんですかね?皇居とか、銀座?

それに案内するにしても、一言しか話したことがないよく知らない男の人を、私一人で東京案内って滅茶苦茶気が重いんですけど、

それから私には執筆活動がありますので時間の方がそのぅ…、

残念ですが他の方にお願いしてみてください、誰もいなかったら有料で観光案内の方に頼んでみたらいかがですか?


こんなふうになりますかね、こんなだと私は誰からも好感を持たれず、ロマンスも始まりようもないですけどね。


しかし夏子さんは困惑しつつも快く引き受けて京都の案内をやってのけるのですよ。

ま、相手はよく知らない男性とはいえ、同業の作家さんで先輩という事情もあり、後輩作家としては断りづらいということもあるでしょうが。

だけど同業の作家さんであればたとえ後輩とはいえ別の作家の執筆活動の時間を邪魔しては迷惑ということは十分にわかるわけで、観光案内などは別の人に頼めばいいように思うのですが、

何故か皆さん、夏子さんに遠慮無く依頼しちゃうんですよね。

その裏には女性としての興味を持たれているということももちろんあるのでしょうが。


山村美紗さん、夏子さんと違って、女性としての興味を持たれないモテない東京の女流作家美波さん(架空)では土俵が違うのでしょうかね。


そして、皆さん着物の着用をおねだりって、これもまた図々しくないですか?


人に和装って手間のかかることを頼むなら、頼んだ本人自分も着物を着てきやがれ、そんなことを本につぶやいている私、モテない女の考えってこういうものかね?

夏子さんは着物の着用も快く引き受けてます、さすがです。

山村美紗さんも夏子さん同様、快く京都案内を引き受けられていたのかしら?そして着物も快く着てあげいたのかしら?

この本を読んでからはそんなことが頭をぐるぐる回っています。

これ以外も凄く面白いところがたくさんありました、興味がある方はぜひ読んでみてくださいね。



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